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瓦棒葺き屋根のリフォーム方法とは?スタンビーへの葺き替えも解説



瓦棒葺き屋根のリフォーム方法とは?スタンビーへの葺き替えも解説 瓦棒葺き屋根のリフォーム方法とは?スタンビーへの葺き替えも解説

築年数が経過した住宅では、下屋根や庇部分に「瓦棒葺き屋根」が使われていることがあります。

瓦棒葺き屋根は、昔から多くの住宅や建物で採用されてきた金属屋根ですが、年数が経つとサビや色あせ、雨漏り、下地の劣化などが起こることがあります。

特に築30年、40年、50年と経過した住宅では、塗装だけで対応できるのか、それとも葺き替えが必要なのか迷われる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、瓦棒葺き屋根の特徴やリフォーム方法、縦葺き・横葺きの違い、近年リフォームで採用されることがある「スタンビー」について解説します。

動画で解説|瓦棒葺き屋根のリフォーム方法とは?

瓦棒葺き屋根とは

瓦棒葺き屋根とは、屋根の流れ方向に沿って「瓦棒」と呼ばれる細い芯木を取り付け、その上から金属板をかぶせて仕上げる屋根工法です。

瓦棒葺きの構造

名前に「瓦」と入っていますが、瓦屋根ではありません。実際には、トタンやガルバリウム鋼板などを使用した金属屋根の一種です。

瓦棒葺き屋根は、屋根の勾配が緩い場所にも対応しやすく、雨水を軒先へ流しやすい特徴があります。そのため、昔の住宅では下屋根、庇、倉庫、工場、増築部分などによく使われてきました。

瓦棒葺き屋根の建物

一方で、古い瓦棒葺き屋根ではトタンが使われていることも多く、経年によって次のような症状が出ることがあります。

 ・屋根表面のサビ
 ・塗膜の色あせ
 ・金属板の穴あき
 ・雨漏り
 ・芯木の腐食
 ・屋根下地の劣化

瓦棒葺きの構造

表面だけを見ると軽い劣化に見えても、内部の木部や下地が傷んでいる場合もあるため、築年数が経過している場合は早めの点検が大切です。

屋根の縦葺き・横葺きとは

金属屋根には、大きく分けて「縦葺き」と「横葺き」があります。

縦葺きとは

縦葺きとは

縦葺きとは、屋根材を屋根の流れ方向、つまり棟から軒先に向かって縦方向に施工する工法です。

瓦棒葺き、立平葺き、スタンビーなどが縦葺きにあたります。
縦葺きは、雨水が屋根の流れに沿ってスムーズに排水されるため、比較的勾配が緩い屋根にも採用されやすい工法です。

特に下屋根や庇のように、雨仕舞が重要になる場所では、縦葺きの金属屋根が適しているケースがあります。

横葺きとは

瓦棒葺きの構造

横葺きとは、屋根材を軒先から棟に向かって横方向に重ねながら施工する工法です。
スレート屋根に近い見た目に仕上がるため、住宅のデザインに合わせやすいのが特徴です。

ただし、横葺きは屋根勾配や雨水の流れを考慮する必要があり、すべての屋根に適しているわけではありません。

瓦棒葺き屋根のリフォームでは、既存の屋根形状や勾配に合わせて、縦葺きの屋根材を選ぶことが多くあります。

瓦棒葺き屋根のリフォーム方法

瓦棒葺き屋根のリフォーム方法には、主に次の3つがあります。

1.塗装リフォーム

塗装リフォーム

屋根表面のサビや色あせが軽度で、屋根材や下地に大きな傷みがない場合は、塗装でメンテナンスできることがあります。
塗装を行うことで、金属屋根の表面を保護し、サビの進行を抑える効果が期待できます。

ただし、塗装はあくまで表面を保護する工事です。
すでに屋根材に穴があいている場合や、雨漏りしている場合、芯木や下地が腐食している場合は、塗装だけでは根本的な解決になりません。

塗装が向いているケース
 ◎サビが軽度である
 ◎穴あきがない
 ◎雨漏りしていない
 ◎下地に大きな傷みがない
 ◎定期的にメンテナンスされている

2.カバー工法

瓦棒葺きのカバー工法

カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材をかぶせるリフォーム方法です。
撤去費用や廃材処分費を抑えやすく、工期も比較的短くできる点がメリットです。

ただし、瓦棒葺き屋根の場合、既存屋根の形状や下地の状態によってはカバー工法が適さないこともあります。
特に築年数が古い住宅では、屋根材の下で木部が傷んでいたり、雨漏りが進行していたりする可能性があります。
その状態で上から新しい屋根材をかぶせると、内部の劣化を残したままになる恐れがあります。

カバー工法が向いているケース
 ◎既存屋根の下地がしっかりしている
 ◎雨漏りしていない
 ◎屋根全体の劣化が軽度である
 ◎撤去費用を抑えたい
 ◎工期を短くしたい

3.葺き替え工事

瓦棒葺き替え工事

葺き替え工事とは、既存の瓦棒葺き屋根を撤去し、防水シートや下地を確認したうえで、新しい屋根材に交換する方法です。

築年数が古い住宅や、サビ・腐食・雨漏りが進んでいる屋根では、葺き替え工事が適している場合があります。

葺き替えの大きなメリットは、古い屋根材を撤去することで、下地の状態を確認できることです。
傷んだ野地板や木部を補修してから新しい屋根材を施工できるため、屋根全体の耐久性や防水性を高めやすくなります。

築年数が古い瓦棒葺き屋根の下地の状態

葺き替えが向いているケース
 ◎築年数がかなり経過している
 ◎屋根材に穴あきがある
 ◎サビが広範囲に進んでいる
 ◎雨漏りしている
 ◎芯木や下地の腐食が疑われる
 ◎今後長く安心して住みたい

築40年、50年と経過した瓦棒葺き屋根では、塗装やカバー工法よりも、葺き替えの方が安心できるケースもあります。

スタンビーとは

スタンビーとは

スタンビーとは、金属屋根材の一種で、縦葺きタイプの屋根材です。

一般的には、立平葺きに分類される屋根材で、屋根材同士をかみ合せる「篏合式」の構造になっています。

スタンビーの構造

スタンビーの構造

瓦棒葺き屋根と同じように縦方向のラインが出るため、見た目の印象が大きく変わりすぎず、古い瓦棒葺き屋根からのリフォームにも採用しやすい屋根材です。

また、スタンビーは木製の芯木を使わない構造のため、従来の瓦棒葺き屋根で起こりやすい芯木の腐食リスクを抑えやすいという特徴があります。

スタンビーと瓦棒葺き屋根の違い

スタンビーと瓦棒葺き屋根は、どちらも縦葺きの金属屋根です。
見た目も似ていますが、構造に違いがあります。

瓦棒葺き屋根は、屋根の凸部分に芯木を入れ、その上から金属板をかぶせて固定する工法です。
古い瓦棒屋根では、木製の芯木が使われていることが多く、雨水が入り込むと芯木が腐食する可能性があります。

瓦棒葺き屋根の構造

一方、スタンビーは屋根材同士をかみ合わせて固定する篏合式の金属屋根材です。
木製芯木を使わないため、芯木の腐食による劣化リスクを軽減できます。

スタンビーの構造

スタンビーと瓦棒葺き屋根の比較

項目 瓦棒葺き屋根 スタンビー
屋根の種類 金属屋根 金属屋根
葺き方 縦葺き 縦葺き
構造 芯木を使用する工法 篏合式の立平葺き
見た目 縦ラインが出る 縦ラインが出る
劣化リスク 芯木の腐食、
サビ、穴あき
施工不良による
雨仕舞不良に注意
リフォーム適正 古い住宅に多い 瓦棒葺きからの
更新に向いている

瓦棒葺き屋根からスタンビーへ葺き替えることで、従来の縦葺き屋根のすっきりした見た目を残しながら、現代的な金属屋根へ更新できます。

スタンビーの施工の流れ

瓦棒葺き屋根をスタンビーで葺き替える場合、一般的には次のような流れで工事を行います。

1.現地調査

現地調査

まずは、屋根の状態を確認します。
サビ、穴あき、雨漏り跡、屋根勾配、下地の傷み、外壁との取り合い部分などを点検します。
特に下屋根は、外壁との接合部分が多く、雨漏りしやすい場所でもあるため、丁寧な調査が必要です。

2.既存屋根材の撤去

既存屋根材の撤去

古い瓦棒葺き屋根を撤去します。
屋根材を撤去することで、表面からは見えなかった野地板や木部の状態を確認できます。

3.下地補修

下地補修

野地板や木部に傷みがある場合は、必要に応じて補修や増し張りを行います。
下地が弱いまま新しい屋根材を施工すると、固定力や耐久性に影響するため、重要な工程です。

4.防水シートの施工

防水シートの施工

下地の上に防水シートを施工します。
屋根材だけで雨を防いでいるわけではなく、防水シートも雨漏りを防ぐ大切な役割を持っています。

5.スタンビー本体の施工

スタンビー本体の施工

軒先から順にスタンビーを施工していきます。
屋根材同士をかみ合わせながら固定し、縦方向のラインを整えて仕上げます。

6.役物板金の取付け

役物板金の取付け

軒先、ケラバ、棟、壁際などに板金部材を取り付けます。
特に壁際の雨押え板金は、雨漏り防止のために重要です。

7.最終確認

最終確認

屋根材の固定状態、板金の納まり、防水処理、清掃状況を確認して工事完了です

瓦棒葺き屋根をリフォームするタイミング

瓦棒葺き屋根をリフォームするタイミング

瓦棒葺き屋根は、劣化症状が出ていても、普段は目につきにくい場所にあるため、傷みに気づくのが遅れることがあります。

次のような症状がある場合は、リフォームを検討するタイミングです。

 ✅屋根に赤サビが出ている
 ✅塗装がはがれている
 ✅屋根材に穴があいている
 ✅雨の日に天井や壁にシミが出る
 ✅軒天に雨染みがある
 ✅屋根の一部が浮いている
 ✅築30年以上点検していない
 ✅下屋根の劣化が目立つ

特に築年数が古い住宅では、表面のサビだけでなく下地まで傷んでいる可能性があります。
「まだ雨漏りしていないから大丈夫」と思っていても、内部で劣化が進んでいる場合もあるため、早めの点検が安心です。

瓦棒葺き屋根リフォームの参考事例

ここでは、瓦棒葺き屋根のリフォームを検討している方に向けて、よくある工事内容の参考例を紹介します。
建物の築年数や、屋根の状態によって適した工事方法は異なるため、実際には現地調査を行ったうえで判断することが大切です。

参考事例1.築50年住宅の下屋根をスタンビーで葺き替え

ス施工前

築50年ほど経過した住宅で、下屋根に使われていた瓦棒葺き屋根の劣化が進んでいたケースです。

大屋根は瓦屋根で、状態に大きな問題がなかったためそのまま残し、サビや色あせが目立っていた下屋根のみをリフォームしました。

既存屋根の撤去

防水シート

既存の瓦棒葺き屋根を撤去したうえで、下地の状態を確認し、防水シートを新設。
仕上げ材には、縦葺きの金属屋根であるスタンビーを採用しました。

スタンビーは瓦棒き屋根と同じく、縦方向にラインが出るため、既存の建物の雰囲気を大きく変えずに仕上げやすいのが特徴です。

完成

下屋根だけを葺き替えることで、必要な部分に絞ったリフォームができ、雨漏りリスクの軽減にもつながりました。

参考事例2.築40年のかわらU屋根をスタンビーへ葺き替え

築40年が経過した住宅で、経年劣化が目立つかわらU屋根をスタンビーへ葺き替えた事例です。

施工前

施工前の屋根は、色あせや表面劣化が進み、屋根材の傷みが目立つ状態でした。
お客様も、塗装で対応できるのか、葺き替えが必要なのか判断できず、今後の雨漏りを心配されていました。

現地調査の結果、屋根材の劣化が進んでおり、築40年という年数を考えると、防水紙や屋根下地の状態確認も必要な状態でした。
そのため、今回は既存のかわらU屋根を撤去し、下地を確認したうえで、新しい屋根材を施工する葺き替え工事を行いました。

瓦撤去

野地板施工

スタンビー施工

新しい屋根材には、縦葺きの金属屋根材「スタンビー」を採用。
スタンビーは、シンプルな縦ラインのデザインと、嵌合部の雨仕舞に配慮された構造が特徴の屋根材です。

施工前

完成

瓦調のかわらU屋根から金属屋根へ葺き替えたことで、外観はすっきりとした印象に変わりました。
また、屋根材を撤去して下地の状態を確認できたため、見た目だけでなく、今後の安心にもつながるリフォームとなりました。

屋根工事専門業者からのコメント

株式会社みすず 代表 綿谷 康伸

瓦棒葺き屋根は、昔の住宅で多く使われていた金属屋根ですが、築年数が経過するとサビや芯木の腐食が起こりやすくなります。

特に、下屋根や庇部分は、雨水が集中しやすく、外壁との取り合いから雨漏りにつながることもあります。

軽度の劣化であれば塗装で対応できることもありますが、築40年、50年と経過している場合や、雨漏り・穴あき・下地の傷みがある場合は、葺き替えを検討した方が安心です。

スタンビーのような嵌合式の縦葺き金属屋根材は、瓦棒葺き屋根と見た目の相性がよく、古い瓦棒葺き屋根のリフォームにも適した選択肢です。

FAQ

瓦棒葺き屋根は塗装だけで直せますか?
サビや色あせが軽度で、屋根材や下地に大きな傷みがなければ、塗装で対応できる場合があります。
ただし、穴あきや雨漏り、芯木の腐食がある場合は、塗装だけでは根本的な解決になりません。
その場合は、カバー工法や葺き替えを検討する必要があります。
瓦棒葺き屋根の葺き替えが必要な症状は何ですか?
広範囲のサビ、穴あき、雨漏り、屋根材の浮き、下地の腐食がある場合は、葺き替えが必要になることがあります。
特に、築年数が古い住宅では、表面だけでなく内部の木部が傷んでいることもあるため、専門業者による点検をおすすめします。
瓦棒葺き屋根からスタンビーにリフォームできますか?
可能です。
スタンビーは縦葺きの金属屋根材で、瓦棒葺き屋根と見た目の相性がよいため、リフォームに採用しやすい屋根材です。
既存屋根の状態によって、カバー工法が可能な場合もあれば、葺き替えが適している場合もあります。
下屋根だけをリフォームすることはできますか?
出来ます
大屋根に問題がなく、下屋根だけが傷んでいる場合は、下屋根のみをリフォームすることも可能です。
下屋根は外壁との取り合いが多く、雨漏りの原因になりやすい部分です。劣化が目立つ場合は、部分的なリフォームでも早めに対応することが大切です。
瓦棒葺き屋根のリフォーム費用はどのくらいですか?
費用は、屋根の面積、劣化状況、使用する屋根材、塗装・カバー工法・葺き替えのどれを選ぶかによって変わります。
塗装が最も費用を抑えやすく、葺き替えは既存屋根の撤去や下地補修が必要になるため費用は高くなりやすいです。
ただし、劣化が進んでいる屋根に無理に塗装をしても、数年後に再工事が必要になることがあります。長期的にみると、葺き替えの方が安心できるケースもあります。

まとめ

瓦棒葺き屋根は、昔から住宅の下屋根や庇などに使われてきた金属屋根です。

雨水を流しやすい縦葺き工法である一方、古い瓦棒葺き屋根では、サビや穴あき、芯木の腐食、雨漏りなどの劣化が起こることがあります。

リフォーム方法は、塗装、カバー工法、葺き替えがありますが、屋根の状態によって適した方法は異なります。

築年数が浅く、劣化が軽度であれば塗装で対応できる場合もあります。しかし、築40年、50年と経過している場合や、雨漏り・下地の傷みがある場合は、葺き替えを検討した方が安心です。

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